「みる=視る、見る、観る、診る、看る、覧る」ことの大切さ
我々は幸いにも生を受けて成長と共に「視る」機能を授かりました。しかし、ただそれは光を受けてものをとらえる権利を得ただけです。もちろん健康でないと「視る」ことはできませんが、漠然と「視る」のは誰でも出来ます。
しかし、知能と共に「見る」ことで感じて判断するのです。教育を受けて、知識を得て、自ら意識して判断して「見る」ようになります。
そして興味があればもっと「観る」ようになります。知識を元に「観る」ことで疑問を持って医学を掘り下げ研究し、想像する動機が生まれます。
我々医者は、臨床家として患者をしっかり「診る」ことで謙虚に病気を学ぶことと同時に、人として「看る」必要があります。医術と人間性を備えた診療が「診る」「看る」ために重要です。
そしてまた眼科だけではなく社会全体を良く「覧る」広い視野が重要です。決して一人では仕事は出来ません。社会の中の一人として教室、病院、組織、地域を広く見渡して自らを判断する必要があります。また眼科以外のフィールドからの知識も必要です。広い視野を持って過ごすことが重要です。
これら6つの「みる」を、バランス良く獲得維持することで良い人材育成が出来ると考えています。これを教室運営に当たっての教育方針とし、多くの素晴らしい医療人を日本に世界に輩出することを教室員全員で目指します。